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ワイン袋などのひもの通し方で「1本通し」というものがあります。
「紙袋のひもって、2本じゃないの?」「1本通しって何?」と思われるかと思いますが、それにはそれなりの理由があるんです。
この「1本通し」は、正面の幅とマチの幅の差があまりないもの、上から見ると正方形に近いもの(口の開口部が正方形に近い物)に使われるひもの通し方です。
では、なぜこのようなつくりかたをするんでしょうか?
それをご説明するにあたって、ひも穴を通す工程はどのようになるのかをご説明したいと思います。
今回ご説明するのは、口折があるタイプで穴を開ける方式の紙袋の話となります。
(機械で製袋する場合は、別の機会に)
基本的にはマチに穴が空いてしまうのは不良品となってしまいますので、通常はマチに穴が空かないようにひもの穴位置(穴間)を調整します。マチが広い場合は必然的に穴間が狭くなってしまいます。
しかし、これくらい正面の幅とマチの幅の差が小さいとさすがに穴間を狭くするにも限度があります。
そこで、今回ご説明する「1本通し」では、そのままマチの部分にも穴を空けてしまいます。
マチに穴が空いてしまいますが、それを逆手に取って、ひもをマチの穴にも通していきます。
通常はひもは2本使用しますが、この「1本通し」の場合はひもは1本となり、その代わり長さは長くなります。
上から見るとこんな感じになります。
ここにワインなどを入れて持ってみるとその重みにより口部分がすぼまり、自動的に口が閉じるようになります。
横から見た感じです。
ひもを1周ぐるりと通すことによって、巾着袋のように口を閉じることができるんです。
今回は正面幅とマチの幅が小さい、上から見た時に正方形に近い形の場合には、ひもの穴を空ける際にマチの部分にかかってしまう恐れがありますが、それを逆手に取って1本のひもでぐるっと1周させることにより見た目も美しい紙袋となる「1本通し」という方法のご紹介でした。
結婚式の引き出物を入れる紙袋のような大きい袋では難しいですが、ワイン袋などの円柱形のものを入れる袋にはこの「1本通し」が使われていることがあります。
円柱形のものを入れる紙袋を作成する場合にはこの方法もご検討ください。
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